副業の収入が月5万円を超えるようになると、「青色申告ってやったほうがいい?」という質問をよく聞きます。答えは:年間20万円を超える見込みなら、ほぼ確実にやるべきです。理由は単純で、青色申告の65万円控除は副業でも適用でき、その差は年間10万〜20万円の税負担軽減になるからです。
青色申告するには「開業届」の提出が前提です。副業だからできないというわけではなく、会社員が副業で事業所得を得る場合も同じルールが適用されます。
開業届の出し方は簡単です。以下の3点を抑えてください。
必要書類と記入項目
税務署への提出期限は事業開始から1ヶ月以内です。ただし実務的には「いつまでに出さないと無効」という厳格なルールではなく、申告時に間に合えば対応可能な場合も多いです。
重要なのは提出日です。開業届を1月15日に出した場合、その年の確定申告では青色申告の承認を受けられず、白色申告になってしまいます。青色申告の承認は申請から約2ヶ月後に効力が発生するため、その年の分を青色申告したければ3月15日までに申請する必要があります。
副業の場合、白色申告と青色申告でどれだけ違うか、具体例で見てみましょう。
年間副業収入:150万円の場合
白色申告では、最大65万円の控除はありません。事業所得は以下のように計算されます。
売上150万円−必要経費50万円=事業所得100万円
これに対し青色申告では:
売上150万円−必要経費50万円−青色申告特別控除65万円=事業所得35万円
所得税の税率を20%とすれば、税負担は100万円×20%=20万円から35万円×20%=7万円に減ります。年間13万円の節税です。
さらに青色申告には以下のメリットもあります。
一方、白色申告の利点は「帳簿付けが簡単」という点だけで、副業が成長すればこの差は埋まります。
青色申告で65万円の控除を受けるには、「複式簿記」による記帳が必須です。これは簡単に言うと、1つの取引を2つの視点から記録する方法です。
例えば、クライアントから10万円の報酬を銀行振込で受け取った場合:
この両者を同時に記録するのが複式簿記です。
白色申告は「単式簿記」で、売上と経費だけ記録すれば済みます。ただし年間20万円以上の副業収入がある場合、どちらにせよ帳簿記録は義務化されています。だったら最初から青色申告で複式簿記をしたほうが効率的です。
実際の申告方法は、会計ソフトを使えば大幅に簡略化されます。freeeとマネーフォワード クラウド確定申告の流れを説明します。
ステップ1:基本情報の登録
ソフトを起動し、事業名・開業日・事業種別を入力します。ここで「青色申告」を選択するだけで、複式簿記の設定が自動的に反映されます。
ステップ2:銀行口座・クレジットカードの連携
副業用の銀行口座とクレジットカードをソフトに連携させます。freeeなら「自動仕訳」機能が搭載されており、振込や決済が自動的に売上・経費として分類されます。完全な自動化ではなく、月1〜2時間のチェック作業は必要ですが、手書きの帳簿と比べれば圧倒的に効率的です。
ステップ3:必要経費の設定
副業に関連する経費を登録します。パソコン周辺機器・書籍・通信費・事務用品などが該当します。家事按分(在宅勤務の家賃・光熱費の一部)も設定可能です。例えば在宅スペースが自宅全体の20%なら、光熱費の20%が経費になります。
ステップ4:申告書の自動生成
12月末日までの1年間の取引を入力すれば、申告書が自動生成されます。freee・マネーフォワードともに、生成された申告書をPDF出力→税務署に提出、またはe-Taxで直接送信できます。
実際の作業時間は、月あたり30分〜1時間程度です。
青色申告に切り替える際のトラブルを避けるため、以下を確認しておきましょう。
開業届と青色申告承認申請は別申請
開業届を出すだけでは青色申告の権利が自動的に得られません。別途「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。期限は開業日から2ヶ月以内です。
会社の副業ルールの確認
青色申告と副業禁止は直接の関係はありませんが、確定申告の存在が発覚するリスクはあります。副業が会社にバレるのは「申告時の住民税通知」が主な経路です。会社の副業ルールと青色申告の手続きは切り分けて考えてください。
仮払い・前払いの扱い
クライアントから事前に仮払いを受けた場合、それは売上計上ではなく「預かり金」扱いになります。請求書発行時に初めて売上に計上するため、帳簿記録の際は注意が必要です。
副業収入が安定してきたら、税理士への相談も検討する価値があります。弊社の副業AI相談室では、個別の経営状況に基づいた青色申告の戦略や、家事按分の具体的な計算方法について詳しい相談が可能です。
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