社労士資格保有者 Takeshi

副業の住民税を普通徴収にする方法:確定申告書の書き方と注意点

更新日:2026-06-21 | 社労士資格保有者が情報提供

副業の住民税を普通徴収にする方法:確定申告書の書き方と注意点

副業で得た所得に対する住民税が、勤務先の給与から天引きされるのを避けたいという相談が増えています。実は、確定申告書に一行追記するだけで、多くの場合は住民税を自分で納付する「普通徴収」に切り替えられます。ただし対応する自治体と対応しない自治体があり、やり方次第では希望通りにならないケースもあります。

確定申告書第二表で「自分で納付」を選択する

住民税の普通徴収化は、所得税の確定申告とセットで行います。具体的には確定申告書第二表の下部にある「住民税に関する事項」という欄に注目してください。

この欄には三つの選択肢があります。一つ目は空欄のままで、デフォルトの特別徴収(給与天引き)になります。二つ目が「給与から差引き」で、これは勤務先に住民税天引きを依頼するもの。三つ目が「自分で納付」で、これが普通徴収にするための手段です。

手順としては、該当する四角形にチェックマークか「○」を入れるだけです。四角形の位置は毎年同じなので、国税庁サイトの様式を確認するか前年度の控えを参照して確認できます。副業分の所得を確定申告する全ての人が対象で、特別な添付書類は不要です。

特別徴収と普通徴収の仕組みの違い

給与所得者の場合、本業の住民税は原則として「特別徴収」という方法で、勤務先が毎月の給与から天引きして市区町村に納めています。これは会社側の法的義務で、従業員が異議を唱えられません。

一方、副業で得た所得に関する住民税は、本来その人自身が納付する「普通徴収」が原則です。ただしシステム上、確定申告で副業所得を報告すると市区町村は給与所得と副業所得をまとめて計算し、合算後の住民税全額を勤務先に「特別徴収してください」という通知を送ります。これが副業が会社に知られるケースの主原因です。

普通徴収に変更すれば、副業分の住民税だけは自分で市区町村に直接納めることになります。納付書は通常6月に自宅に届き、6月・8月・10月・1月の四期に分けて納める流れになります。給与については引き続き勤務先から天引きされるため、会社に副業所得があることを気づかれにくくなるというわけです。

実際の記入例

具体例で説明します。あなたが本業で年収400万円、副業の雑所得が月5万円(年60万円)だったとします。

所得税の確定申告を税務署に提出する際、第二表の「住民税に関する事項」の欄で「自分で納付」にチェックを入れます。すると市区町村への通知では、本業分の住民税は「特別徴収」、副業分の住民税は「普通徴収」として分離されます。

本業分の住民税(年額約20万円程度)は毎月の給与から天引きされ続け、副業分の住民税(年額約6万円程度)が別途納付書で自宅に届くという形になります。給与の控除額を見た経理担当者は「副業がある」と推測しにくくなります。

対応していない自治体がある点に注意

重要な注意点があります。この「自分で納付」という選択肢の実装状況は自治体によって異なります。

令和3年度から国が統一的な対応を呼びかけた結果、対応している自治体が大幅に増えました。東京都・大阪府・名古屋市などの主要都市はほぼ対応済みです。ただ小規模な市町村のシステムでは、まだ技術的対応が完了していない所も散見されます。

実際のところ、確定申告書に「自分で納付」と記入しても、その自治体が非対応なら指示は無視される可能性があります。市区町村によっては、記入の有無にかかわらず全て特別徴収に統一している所さえあります。事前に「副業の住民税だけ普通徴収にできますか」と問い合わせるのが確実です。自治体の公式ホームページか税務課の電話窓口で数分で答えてもらえます。

普通徴収にできないケース

以下の場合は「自分で納付」欄を記入しても効果がない可能性があります。

まず本業の給与が年間30万円以下という極めて低い場合、そもそも特別徴収の対象外なので記入欄の意味がありません。この場合副業分も含めて全て普通徴収になるのが原則です。

次に副業の所得が20万円未満の場合です。所得税の確定申告が不要な人は、市区町村への住民税申告も簡潔になり、「自分で納付」欄の指示が適用されないケースがあります。ただしこれは自治体や状況によるため、該当する人は事前確認が必須です。

また雇用契約による副業(副業先から給与をもらっている場合)は異なる扱いになります。この場合「給与所得」として複数の源泉徴収票が出るため、個人的な選択では対応できず、副業先の会社に「普通徴収で」と依頼する必要が生じます。

申告後は確認を怠らずに

確定申告書に「自分で納付」と記入して提出した後、実務的な注意が必要です。

市区町村から送られてくる「税額決定通知書」や「給与支払報告に基づく市民税・県民税額』という書類で、実際に分離されているか確認してください。本業分の給与の欄と副業分の欄が分かれていれば成功です。うっかり全額が特別徴収になっていた場合、その年度の修正は難しいので、翌年度の処置が必要になります。

何か不明な点があれば、市区町村の税務課に電話するのが最速です。確定申告後の手続きは書面や郵送でも対応できますが、疑問点が複数ある場合や個別事情に合わせた対応が必要な場合は、副業AI相談室で詳しく聞くと、実務的なアドバイスが得られます。

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