配偶者が副業や就職で扶養を外れるとき、単に所得が増えるだけでは済みません。配偶者控除の喪失と社会保険料の新規加入が同時に発生し、手取り額が大きく減少するケースが多いのです。
実際のところ、年収が100万円増えても手取りは40万円程度しか増えないというのは、この二重負担が原因。損益分岐点を知らないまま扶養を外れると「こんなに損するなら副業をやめればよかった」という事態に陥ります。
扶養配偶者がいる場合、給与所得者である世帯主が配偶者控除(または配偶者特別控除)を受けます。
配偶者控除の金額は以下の通りです:
加えて住民税でも33万円の控除があり、住民税率10%を適用すると3万3000円の減税額が発生します。
つまり配偶者控除が外れると、所得税・住民税合計で最大10万9000円の税負担が増加します。これは配偶者が副業で100万円稼いでも、相殺されてしまう金額です。
扶養配偶者が収入を得るようになると、社会保険から外れます。具体的には以下の変化が起こります。
年収130万円を超えた場合:
年収150万円で副業開始した場合、毎月の社会保険料は:
150万円÷12ヶ月=12万5000円/月
12万5000円×14.65%(厚生年金+健康保険+失業保険)=1万8312円/月
年間:21万9744円
自営業の場合は国民年金と国民健康保険へ切り替わり、年間30万円~45万円の負担になる可能性があります。
配偶者が扶養を外れると、その所得に対する所得税が新たに発生します。
配偶者の給与所得が150万円の場合:
所得税と住民税合計:19万円
ただし基礎控除48万円を使える場合、課税所得は95万円-48万円=47万円となり、所得税は4万7000円に軽減されます。
扶養を外れる直前:配偶者年収103万円以下
配偶者が年収150万円で副業開始
合計負担増:約61万9000円~51万8744円
配偶者の手取り増加額は150万円-55万円(給与控除)=95万円から上記を差し引くと、実質的な手取り増加は33万~43万円程度に留まります。
配偶者控除による減税額:3万8000円+3万3000円=7万1000円
配偶者が年収150万円で副業開始時の負担増:
合計負担増:約38万4744円
この場合、配偶者の実質手取り増加は56万円程度となります。
損益分岐点は「配偶者の追加所得が、税・社保負担の増加を上回る年収」です。
簡易計算式:
損益分岐点年収 ≒ 配偶者控除喪失額 ÷(1-社保料率-税率)
世帯主年収600万円の場合:
10万9000円÷(1-0.1465-0.20)=10万9000円÷0.6535 ≒ 167万円
配偶者が年収167万円を超えることで初めて、扶養を外れた方が世帯全体で得になります。
年収150万円程度での副業なら、扶養維持を検討した方が手取りベースでは有利な可能性が高いというわけです。
扶養を外れるか判断する際は、単年の損得だけでなく以下も考慮します:
扶養を外れて年収200万円を超える見通しがあれば、中長期的には世帯所得が増加します。短期的な損失が回収される計算になるため、キャリア判断として合理性があります。
詳細な年収見通しや家計への影響をより詳しく検討したい場合は、副業AI相談室で具体的な数字を踏まえた相談ができます。
この記事で紹介したサービス
この記事の内容についてAIに詳しく聞く
副業AI相談室で無料相談 →労務トラブル・就業規則・社会保険はAI労務アシスタントへ
無料で試す →