社労士資格保有者 Takeshi

育休中に副業はできる?育児休業給付金への影響と注意点

更新日:2026-06-22 | 社労士資格保有者が情報提供

育休中に副業はできる?育児休業給付金への影響と注意点

育児休業中に副業で収入を得たいと考える方は多いでしょう。しかし育児休業給付金を受け取りながらの副業には、明確なルールと落とし穴があります。「少しくらい大丈夫」という判断が、給付金の返納や会社との信頼関係を損なう事態につながることもあります。育休中の副業ルールを正確に理解することが重要です。

育休中の副業は法律上「禁止ではない」が条件あり

まず押さえておくべき点は、育児休業法そのものは副業を禁止していません。ただしハローワークが支給する育児休業給付金の要件として「就業していないこと」が定義されています。ここの違いが重要です。

育児休業給付金の支給対象となるには、育児休業中の就業が一定基準以下である必要があります。具体的には、月の就業日数が10日以下、かつ就業時間が80時間以下という上限があります。これを超えると給付金が減額または支給停止となる可能性があります。

たとえば副業でライティング業務を月15日間行えば、この基準を超えるため給付金の対象外になるリスクがあります。一方、月5日程度の軽微な業務であれば、給付金受給資格の要件を満たし続ける可能性があります。

給付金が減額になる「就業時間80時間」の判定方法

育児休業給付金の減額ラインを具体的に理解することが現実的な判断につながります。

ハローワークは月ごとに就業日数と就業時間を確認します。以下が基本的な考え方です:

就業日数の計算

1日でも就業した日を「就業日」と数えます。たとえば1時間のみ業務を行った日も1日とカウントされます。月10日以下であることが条件です。

就業時間の計算

実際に労働した時間の合計です。月80時間以下が給付金継続の目安とされています。

たとえば月5日間の副業で、1日あたり15時間働いた場合、合計75時間となり基準内です。一方、月6日間で1日15時間の場合は90時間となり、基準を超える可能性があります。

ハローワークへの報告は育児休業給付金の支給決定時に「就業日数報告票」の提出が求められます。この報告で80時間を超えていることが判明すれば、その月分から給付金が減額される仕組みです。

会社への届け出義務と情報開示の判断

育児休業中の副業を会社に報告する義務は、法律では明確には定められていません。ただし会社の就業規則で副業禁止や届出義務が定められている場合があります。このため、育休に入る前に就業規則を確認することが現実的です。

一般的な大企業では副業を禁止している企業が多く、育児休業中であっても例外とされていないケースがほとんどです。一方、中小企業や一部の業種では副業を認める企業も増えています。

重要な点として、育児休業給付金の申請時にハローワークから会社へ照会がなされる可能性があります。特に復職予定日が近づいた時点で、給付金の最終確認が行われます。その際に副業の報告漏れが発覚するケースも実際に存在します。

会社に無断で副業を行い、その事実が判明した場合、懲戒処分の対象となることもあります。「育休だから会社に報告する義務がない」と考えるのではなく、会社の方針と給付金要件の両方を意識した判断が必要です。

副業がバレるルート:社会保険と税務申告

育休中の副業が会社にバレるパターンとして、社会保険と税務申告を通じた情報漏洩が挙げられます。

社会保険からのバレ

副業先が従業員を社会保険に加入させた場合、あなたの名前で複数の社会保険加入記録が生じます。会社の人事部門が加入手続きや保険証発行時に、重複加入の事実を把握する可能性があります。フリーランスとして報酬を受け取る場合は社会保険対象外のため、この経路でのバレは少ないですが、兼業先が法人であれば注意が必要です。

税務申告からのバレ

育休中に副業所得が20万円を超える場合、確定申告が必要です。その際に市区町村から会社へ「住民税額決定通知書」が送付されます。会社の給与に対する住民税額が増えていれば、追加所得の存在を推測されるリスクがあります。特に会社の経理担当者が個人の住民税決定額の異常に気付きやすい環境では、説明を求められることもあります。

現実的な対応として、副業所得が小額であっても確定申告時に「給与所得者の配偶者控除申告書」などで副業の有無を問われます。その時点で申告内容と会社への報告に矛盾があると、後々トラブルになる可能性が高まります。

実際の判断基準:給付金維持と会社対応の両立

育休中の副業を現実的に判断するには、以下のチェックリストが有効です:

1. 会社の就業規則確認:副業禁止規定があるか、育児休業中の取扱いが明記されているか

2. 給付金要件の確認:月10日以下、80時間以下の範囲で副業を設計できるか

3. 副業形態の確認:社会保険加入が必要な兼業か、フリーランス報酬か

4. 所得金額の試算:20万円超え見込みであれば確定申告と会社への報告が必須

給付金を受け取りながら副業を行う場合、月の就業を4日程度(週1回程度)に限定し、1日あたりの業務時間を15時間以内に抑えれば、ほぼ基準内の範囲で活動できます。たとえば月4日×15時間=60時間という計画であれば、80時間以下の基準をクリアしやすくなります。

ただし会社に無断での副業が発覚した場合、給付金の返納だけでなく懲戒処分の対象となるリスクも併せ持つことになります。このため「短時間の軽微な副業だから報告しなくてもいい」という判断は、長期的には危険です。

具体的な状況に応じた判断や、実際の給付金計算方法についての詳細は、副業AI相談室で個別の条件を踏まえて相談することで、より精密な対応策を検討できます。

この記事の内容についてAIに詳しく聞く

副業AI相談室で無料相談 →

労務トラブル・就業規則・社会保険はAI労務アシスタント

無料で試す →